安定化二酸化塩素の殺菌消毒のメカニズム 微生物と安定化二酸化塩素の殺菌消毒のメカニズムは、通常の塩素剤と基本的に異なります。
通常の塩素剤には、塩素酸ナトリウム、過塩素酸ナトリウム、サラシ粉、次亜鉛素酸ナトリウム、などがあり
ますが、これらはすべて塩素イオン(Cl-)により殺菌消毒がされます。そのために、水中などに有機物があればトリハロメタンなどの塩素化合物が副生成されます。
酸素原子の酸化力により、病原菌(蛋白質が主成分)の殺菌消毒、有機物の腐敗を防いで防腐の働きをしています。
したがって、水の消毒に使用しても塩素剤のようにトリハロメタンのような有害な塩素化合物は生成されません。
二酸化塩素は、ラジカル反応で特異的な酸化作用を有しており(フリーラジカル)、このラジカル反応による酸化作用により、
細胞膜を形成するタンパク質を攻撃し、細胞の構造自体を変質(破壊)させます。
生命体の基本構造は、細胞の活動によるものであり、細胞を形成する核や細胞膜はタンパク質で構成されています。
従って、二酸化塩素のタンパク変成作用(タンパク質に反応する)は、細胞膜のタンパク質を酸化させることで、細菌やウィルスの基本構造を破壊することになります。
細菌やウィルスも、細胞を有する生命体であることは変わりなく、多くの細菌やウィルスに対して、二酸化塩素による殺菌が有効とされる要因は、この
殺菌メカニズムにあるといえます。
※ウィルスの場合は、外殻がタンパク質であり、二酸化塩素はこの外殻のタンパク質に反応します。
また、ウィルスには通常の季節性インフルエンザ(H1N1やH3N2や豚インフルエンザ(H1N1→今回の新型インフルエンザ)、鳥イン フルエンザ(H5N1)などの型があり、144種類の亜型が存在します。この型を決定付けるのが外殻の構造です。二酸化塩素がウィルスの外殻を形成するタンパク質に反応す るという性質上、ウィルスの型に左右されることなく有効であるといわれているのは、この理論上に基づくものです。 [参考資料] 緒方規男、柴口高
Journal of general virology,89(pt1)2008,60-67 インフルエンザウィルス感染症は、人類の病気と死亡の主な原因の1つである。ヒトにおいて、このウィルスは、
呼吸器系から排出されるエアゾールを介して、感染拡大する。現在のインフルエンザウィルス感染予防に対する手段の有効性は限定的であり、満足できる
ものではない。パンデミックインフルエンザに対する安全かつ有効な予防手殺が望まれている。
我々は、インフルエンザA型ウィルスのエアゾールによって誘発されたマウスの感染が、極度に低い濃度(長期暴露において
ヒトが許容されるレベル(0.1ppm)以下での二酸化塩素(ClO2)ガスによって予防されたことを報告する。
半閉鎖系ケージ内にマウスを入れ、15分間インフルエンザA型ウィルスのエアゾール(1LD50)のみ、またはこれとClO2ガス(0.03ppm)を同時に暴露した。
暴露3日後に、処理を受けなかった5匹のマウスにおける肺中ウィルスカ価は106.7±0.2であったのに対し、ClO2で
処理される5匹のマウスにおけるウィルスカ価は102.5±1.5であった〔p=0.003)。16日後の累積死亡率は、ClO2で
処理されたマウスではO/lOに対し、処理を受けなかったマウス7/10であった(p=0.002)。
invitro実験において、ClO2はウィルス感染のために不可欠である、ウィルス膜タンパク(赤血球凝集索とノ
イラミニダーゼ)を変性させて、感染性を無効にした。
まとめると、我々は、マウスにおいて、ヒトに許容される暴露レベル以下の低濃度で、二酸化塩素は、ウィルス膜タンパク
を変性させることによって、ヱアゾールによるインフルエンザウィルス感染の予防に有効であると結論づける。この結果より、ClO2ガ
スは、ヒトを退去させることなく、ヒトが活動する空間において、インフルエンザに対する予防策として極めて有効であることが示唆される。
接触感染対策 →「液剤/スプレー」
空気感染対策
→「小型機器」「置き型ゲル剤」
★主な除菌場所★ ●手の触れる場所:ドアノブ、手すり、壁、ボタン類、共有の小物、テーブル、蛇口、トイレなど ●飛沫(くしゃみなど)が飛びやすい場所 ●ウィルス、菌が付着しやすい場所 ○乳幼児が利用する施設は床面など ★主な除菌場所★ ●空気中 ●室内全般(目に見える範囲、天井、床、カーテン類(布類)、電気機器、木製類、衣服、紙類、小物類) 機器:効率的に一定量「二酸化塩素ガスを発生」
ゲル:空気循環、紫外線、蛍光灯照射により、「二酸化塩素ガスを発生」 ※室内環境により発生量が異なります |